僕の彼女はハムスター 1話 3

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「名前?
そういうあんたの名前はなんていうのよ?」


何だかイライラする聞かれ方だ。
ハムスターとタメ口・・・むしろ相手の方が上からの口調だからだろう。
しかし、そうも言ってられないので、落ち着きを取り戻し何とか冷静に話を進めようとした。


「俺の名前は藤島拓哉(ふじしまたくや)
あなたの名前は?」

なるべく丁寧に丁寧に聞いた。


「私?・・・名前はないわ。」


「勘違いしないでよ?人間につけられた名前がないってことよ。
みんなからはエリザベスって呼ばれていたわ。」


ぷっ!!
思わず笑ってしまった。

そしてすぐに後悔する。

いてぇ!!!!!!!


ものすごくピンポイントで「すね」を噛まれた。


「何がおかしいのよ!!」

 

何とか笑いと痛みを耐えて、話を戻す。


「で、エリザベスはどうして外にいたんだ?」


「逃げてきたのよ、前の飼い主から。」

 

 

その後しばらく生い立ちを聞いていた。


話してくれた内容をまとめると、生まれはペットショップ。
以前飼われていた家ではヘビのえさの一匹だった。
そして隙を見て逃げてきたということ。
そのため2日ほど何も(まともなものを)食べていないらしい。

 

で、今ご飯を要求されている。


気付けばもう夜中の2時を回っている。
明日が土曜日であることが唯一の救いか。

 

「ちょっと、何か食べるもの頂戴よ!」

 

ワガママ全開のエリザベスがキッチンの俺に対し大声をあげる。


「変なもの出したら承知しないんだから!!」

 

ちょうどお腹が空いたのもあり、俺も夜食を食べることにした。

 

ところがだ。
キッチンのどこを見てもハムスターが食べれそうなものなんてない。
そもそもハムスターが食べるものってなんだ??


ひとまず、いろいろ探してみてわかったことは家には保存食(レトルトとも言う)しかない。
ま、一人暮らしの男の家なんてそんなもんだ。


冷蔵庫には賞味期限切れの調味料と、3ヶ月前の卵。
その他もろもろ(笑)
はっきり言って、見なきゃよかった生モノまで出てきた。


「笑えんな。」

 


さて、とりあえずカップ麺のお湯を沸かしつつも、他にも何かないか探してみることにした。

 

探しに探した結果が缶詰。
フルーツ缶。


これで許されるかどうかわからんが、一応自分の分のカップ麺と、エリザベスの分のフルーツ缶を持って部屋に戻った。

 

戻ると、テレビの音だけが聞こえる。


人間のお尻がすっぽり入る赤いビーズクッションのど真ん中で、エリザベスはもふもふと寝ていた。


起こさないようにそっとテーブルの上にカップ麺とフルーツ缶を置き、とりあえず夜食をとることにした。


「まぁ・・・ハムスターもこれだけ可愛いと飼いたくなるよなぁ」


あまりにも素直な心から出た言葉だった。

 

そうつぶやいた。つぶやいてしまった。

 

「じゃあ、しばらくここにいるわ!!」

 

・・・ハムスターのタヌキ寝入り。

 

ものすごくしまった感があったのは気のせいだろうか。

こいつは一筋縄ではいかない・・・悟った。

 

コメント(1)

エリザベス…(* ̄m ̄)ノ彡_☆ばんばん
作者さんも、こんなハムスター娘?欲しかったりして。。。

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